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2022年8月29日「平成バブル期を想起させる競落」

東京地裁開札トピックス(22.8.29日号)

平成バブル期を想起させる競落

 立地のネームバリューがかなり高まっている。かつて平成バブル期においては港区のマンションは専有面積坪単価1000万円を超す例は少なく無かった。しかしバブル崩壊後は価格が崩れていった。アベノミクスによる大規模金融緩和が始まる前には価格は相当落ちていた。

さて7月21日開札で東京メトロ南北線「麻布十番」駅徒歩約4分に立地する専有面積約19坪の1LDKのマンションが競売対象になった。築26年のこのマンションなども10年前では専有面積坪単価250万円程度で売買されていた。総戸数24戸と小ぶりのマンションでもあり、同地域のマンションと比較しても低い水準の価格である。しかし今回は売却基準価額3480万円に対し入札が30本集まり、最高価8106万円にて競落されていった。これは専有面積坪単価426万円に相当し、再販価格では専有面積坪単価500万円は優に超えるであろうと思われる。10年前の2倍の価格ということになる。一方でこの10年間日本の名目GDPは10%上昇にとどまっており、これを考えれば明らかな資産インフレと言え、平成バブル期を想起させる。先週の本欄では両国のマンションについての競落例を挙げて収益利回り換算で4%程度が賃借権付マンションの相場ではないかと記したが、このマンションを収益還元で考えると年利回り約2.3%程度にしかならない。平成バブル期も都心のマンションについては年利回り2%台ということもあった。果たしてこの相場はどこまで続くのか、その行方が注目される。

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