2021年4月26日「カボチャの馬車が連続登場」
東京地裁開札トピックス(21.4.26日号)
カボチャの馬車が連続登場
2年ほど前世間を騒がせた「かぼちゃの馬車」とスルガ銀行の事件はすっかり報道されなくなった。しかし競売の市場には開札日のほぼ毎回と言っていいくらいにカボチャの馬車が対象になっていてまさに事件の結末を迎えている。4月8日開札では日暮里舎人ライナー「谷在家」から徒歩約8分に所在する。土地は東側と南側でそれぞれ幅員約10mと6m
の公道に面した約27.5坪で建物は築5年の木造2階建て、延床面積約36坪である。建物は各階5戸ずつのシェアハウス(各戸2坪強)になっている。トイレは全体で2か所、シャワールームが同じく2か所ある。登記簿の内容を見ると、土地購入には5100万円以上で、建物は3000万円以上、合計8100万円超の資金が投下されている。しかし、室内写真を見る限り建物竣工後一度も使用されたようには見えず、全戸空室である。おそらくカボチャの馬車の運営会社スマートデイズが経営悪化してからの竣工であったと考えられる。この物件の売却基準価額は2128万円であったが、入札は8本あり、最高価は2773万円弱で競落されていった。競落価格はおおよそ土地値と思われる。本件の投資家はおよそ投資額の7割を失った計算となる。カボチャの馬車はかなり供給されていたので今後も競売市場にはまだまだ登場するだろう。