2021年2月22日「都心マンション共有持分に大量入札」
東京地裁開札トピックス(21.2.22日号)
都心マンション共有持分に大量入札
先週号本欄ではセットバック部分が過半の敷地に建つ一戸建が一番人気になったことを紹介したが、さらに2月3日開札ではマンションの共有持分という特殊物件にも大量入札があった。その物件は都営大江戸線「西新宿5丁目」駅徒歩2分に所在する築16年のタワーマンション「シティタワー新宿副都心」である。対象住戸は19階部分の専有面積約18坪、2DKの部屋である。競売対象はこの部屋の共有持分4分の1で売却基準価額は1008万円であった。この共有持分に入札が17本集まり、最高価2300万円で個人が落札していった。
ちなみにこの物件の評価書では、このマンションの市場評価額を1戸全体で約6300万円としている。競売対象はそのうち共有持分4分の1であるので1575万円となっている。これに対し、共有持分であることによる減価が20%、さらに競売であることの減価が20%で前述の1008万円の売却基準価額となったのである。そこへ前述の2300万円の競落であることで、少なくとも1戸当たりその4倍の価格を妥当として入札されたことになる。しかもこの入札が突出した入札価格ではなく、次順位の2188万円の入札もあることから、決して市場を逸脱した競落ということではなさそうだ。競落価格の4倍では1戸全体で9200万円に相当し、専有面積坪単価は500万円を超えることになる。都心マンション価格の上昇はかなり進んでいると言えそうだ。