2021年2月15日「位置指定道路部分過半の戸建てが一番」
東京地裁開札トピックス(21.2.15日号)
位置指定道路部分過半の戸建てが一番人気
競売市場では、一般市場ではなかなかお目に掛かれない物件があり、面白いところではある。いわゆる特殊物件と呼ばれるが、そういった物件にはさすがに入札が集まりにくいものである。しかし2月3日開札では、その特殊物件が一番人気となった。その物件はJR総武線「新小岩」駅徒歩約14分に立地する一戸建てである。敷地は南側で幅員約3.2mの公道(2項道路)に面し、東側では幅員3m未満の私道の位置指定道路に面する。地積は約17坪で、その上に築35年の木造2階建で延床面積約19坪の建物が建っている。この物件の売却基準価額は291万円とかなり低額になっているが、その理由は敷地の9割が再築の場合、セットバックを要する部分であるからである。南側の区道はさほどではないが、東側の位置指定道路は幅員6mが指定幅員であり、対象敷地は3m以上のセットバックが再築時必要になる。つまり対象の建物は概ねセットバック部分、つまり道路の上に建っていることになる。ただ建築されている建物の取り壊しを求められることは考えられないので、自己使用、賃貸の用に供することは可能である。そんな物件に何とこの日最高の45本もの入札があり、最高価1667万円強にて落札されていった。大変驚かされた落札事例であった。