2020年12月21日「蒲田ワンルームに大量入札」
東京地裁開札トピックス(20.12.21号)
蒲田ワンルームに大量入札
中古マンションの完成在庫が売れ、在庫が減少傾向にある市場では成約価格も上昇し活況と言っていい水準である。新築のワンルームマンションも今年に入り分譲単価は1㎡あたり120万円(1坪約400万円)を超え、1戸あたり3000万円以上という水準に達している。それでも売れ行きは好調と見られるのはやはり金融緩和が続いているからであろう。そんな中JR京浜東北線「蒲田」駅徒歩約9分に立地する築17年が経過するワンルームマンションに36本もの入札があった。この物件専有面積6.67坪であり、現在月額9万円にて賃貸されている。管理費・修繕積立金は月額1.4万円弱、年間16万円強で固定資産税等は年4.8万円強である。従って実質収入は年約87万円であるが、これに対し売却基準価額は757万円であった。この売却基準価額の水準であれば年10%以上の利回りは達成されるが、実際競落されたのは2166万円であった。これであると年4%程度になり、低く感じるが、驚かされたのは、これを競落したのがワンルーム販売会社であったことである。つまり最終的にさらに高価格で投資家に売却されるわけで、いかに投資用ワンルーム市場が活況であるかが分かる。ただ一方で競落会社がワンルーム投資家を広告宣伝などで一定数抱えているから販売が可能であるとの側面もあるように思う。