東京地裁開札トピックス（１９．１１．１８号）

私道面好立地戸建が低上乗せ率落札

　ワイドショーなどで長崎の私道の話題が多く取り上げられていた。私道所有者が通行料を請求し、その上支払わないことを理由に通行止めをするという行為に出たという内容である。所有者の主張は私道に維持管理コストが掛かるというものであった。確かに私道についてはその維持管理コストは所有者負担である。またその私道内に埋設される上下水道などの管については所有者全員の了解の上行うのが原則となる。先の長崎の場合もし私道面の住宅が建替えをしようとすれば、私道所有者はきっと承諾しないであろう。改めて私道面の住宅の価値について考えさせられる話題であった。11月7日開札では東急田園都市線「桜新町」駅徒歩約7分に立地する一戸建て住宅が対象となったが、これが私道面の物件であった。敷地は約30坪あり、建物は築約19年の木造2階建の延床面積約30坪で売却基準価額が5100万円であった。これに対し入札は7本で、最高価6302万円で競落された。好立地物件であったが売却基準価額に対する競落価格の上乗せ率は約23%と低めであったがさらに目を引いたのが次順位の入札価格が5760万円と落札価格とかなり差があった。やはり私道面物件は市場性が劣るということだろう。この物件の評価書では私道面である土地評価額の減額を10%としているが、現実にはもっと大きいだろう。