東京地裁開札トピックス(19.4.22号)
競落人に司法書士報酬が課される競落マンション
マンション価格が戸建を凌いでいる昨今だが、4月11日開札でも京王線「代田橋」駅徒歩約6分の専有面積約18坪の2LDKのマンションが売却基準価額の2倍で落札されたのに目を引かれた。そのマンションは築23.5年で所有者居住である。室内には大量のごみがあり、設備の劣化が相当激しい。加えて所有者兼占有者は管理会社に一切協力せず、インターホンの取り換え工事を拒否するような状態である。そんなマンションの売却基準価額は1981万円であったが、これに対し入札は35本入り最高価3966万円にて再販業者が落札した。さて先に述べたとおり、所有者は通常の社会性がかなり欠如している状況で、滞納管理費も150万円以上ある。さらには滞納管理費督促のための少額訴訟申立てにあたり生じた司法書士費用についても買受人に負担してもらうべく管理組合は主張している。この費用につき管理組合は区分所有法第7条における管理組合の集会決議を経た先取特権対象として買受人に請求するのだろう。本物件についてはその費用は108000円とあるが、仮に競落後追加で明らかにされる費用があった場合などは管理組合と競落者との間で揉める可能性はありそうだ。また専有部分の設備劣化については特段評価書では減価要因にしていない。以上の状況にあるものの大量入札と高水準競落であったことにも驚かされた。