2019年1月1日「八丁堀マンションに48本の入札」
東京地裁開札トピックス(18.1.1号)
八丁堀マンションに48本の入札
12月6日開札の一番人気は東京メトロ日比谷線「八丁堀」駅徒歩1分のマンションであった。そのマンションは専有面積約18坪の2LDKの部屋で、築19年弱である。所有者が居住していて引渡命令対象であるので再販業者は商品化が早いこともあり、大量入札になったと考えられる。この物件の売却基準価額は2738万円であったが、再販業者と思われる会社が最高価5238万円にて競落していった。上乗せ率は90%を超える高水準である。しかもこのマンションの同じ棟内の別の部屋が今年の6月に成約しているが、その水準は専有面積約16.7坪に対し売却価格が4900万円であった。この時の成約坪単価を今般の物件に当てはめてみると、成約予想価格は5257万円になってしまい、この物件の滞納管理費や登記費用などを考えると、この過去の成約坪単価からの成約予想価格を超えてしまうことになる。費用としては当然内装費なども必要であろうし、成約予想価格を上げて考えねばいけない。確かに本競落物件の方が所在階は高く、リビングの向きも南向きで有利(6月成約物件は西向き)なこともあるので、1割以上の成約坪単価増が見込めるかもしれない。
またエンドユーザーの購入見込が先にあっての入札であった可能性もあろう。本物件のような地域、グレードのマンションの競落は相変わらず容易ではない。