2018年12月17日「狭小ワンルーム表面利回り9%弱で落札!」
東京地裁開札トピックス(18.12.17号)
狭小ワンルーム表面利回り9%弱で落札
かぼちゃの馬車の破綻の影響が建設会社倒産などに及び広がりを見せている。シェアハウスの経営は簡単ではないものの、一方で都内の3畳狭小ワンルーム賃貸が好調との話題もある。しかし狭小ワンルームマンション建設は東京23区内で規制が掛けられており供給は限られる。11月22日開札で、専有面積約16㎡のワンルームマンションが開札対象となった。その物件は東急多摩川線「矢口渡」駅徒歩約5分に立地した築30年で総戸数18戸のマンションである。占有者は賃借人で、月額5.6万円にて賃借している。この物件の売却基準価額は480万円で、表面年利回りは14%になる。これに対し入札は12本あり、最高価756万円にて競落されていった。表面年利回りは9%弱の水準である。さて、こういった狭小ワンルームマンションの賃貸需要は今後どうなるだろうか。ちなみにこの物件が所在する大田区では総戸数15戸以上の物件については占有面積を25㎡以上にするよう規制が掛けられている。つまり競落されたマンションと同じ狭小ワンルームマンションは新規では供給されにくいと言える。一方で狭小ワンルームは賃料総額が低く抑えられるので単身世帯が増加している23区内で賃貸需要は堅調に推移するだろう。供給が制限されて、需要が堅調であれば投資対象として狭小ワンルームマンションの魅力は高くなるように思う。このところ一時より個人への不動産投資融資が引き締まっていることで競落水準が低下しているようだが、外国人の流入も加速されることも考えると、競落水準の低下の余地は限られるように思う。