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中身スカスカ棲家な。

「無常という力」(玄侑宗久著)では鴨長明の「方丈記」を解説、震災に襲われた現代との比較がなされています。  平安末期、鴨長明が生きていた時代は、災害や飢饉、一時的遷都などの人災が多発していた時代でした。 著者である作家の玄侑宗久さは福島の僧侶でもあります。  そんな玄侑さんの被災地感覚が、平安末期の日本と今の共通点を浮かび上がらせています。  玄侑さんが、震災後、本を読む気力が萎えてしまったとき、手に取ったのが、「方丈記」であったとのことです。 彼が方丈記を何回も何回も読むうち、日本に古来伝わる「無常感」について「方丈記」に導かれ理解を深めていく様子が「無常という力」によく描かれています。  古来から、火山国であるが故の地震、また台風などの風水害が多発する日本では特に、人の命をはじめ、今あるものが、永遠には決して続かないという「無常感」という概念が醸成されていったのでした。  「方丈記」で鴨野長明は、人生(命)自体が「仮の宿り」、儚い繋でしかないと説きます。そして、そうであるのに、その人生の主(あるじ)である「人」が、何故その棲家(住居)に拘り、立派な家を建てたりするのだろう、と呆れています。  さて、日本では現代、諸外国に比して、建物の価値は、どんなにお金を掛けたものでも、あまり評価されません。  どうやらこういった慣行も、日本人のDNAに刷り込まれた「無常感」に起因しているのかもしれませんね。  あまり建物を評価しない日本、そこで回文「中身スカスカ棲家な。」ナカミスカスカスミカナ

 

    2023/11/16   時事回文   

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