2024年8月26日「換価競売の豊洲タワマンが一番人気」
東京地裁開札トピックス(24.8.26日号)
換価競売の豊洲タワマンが一番人気
先週、目黒区の更地の競売物件が相続後の共有物分割請求訴訟からのものであるとの記事内容を書いた。同じ7月31日開札で一番人気の24本の入札を集めた競売物件も共有物分割請求訴訟由来の物件であった。こちらはマンションで、東京メトロ有楽町線「豊洲」駅徒歩約5分に立地する。このマンションはもともと母と娘3人が共有し、同居していたところ、一人の娘を残し他3人が転居した。残った一人の娘と他の3人はそののち没交渉となったようだ。今般残って占有している娘に対し、他の3人の共有者が申立人となり共有物分割請求訴訟を提起し、競売に付されたものである。
現況調査の折執行官が申立人から借りた鍵では専有部分内には入れず、鍵技術者により解錠され部屋内の調査を行っている。占有していた娘が鍵を交換してしまったと思われ、相互の関係悪化を表している。
さて、このマンションの専有面積は約26坪であり、売却基準価額は6400万円であったが、これに対し先のとおり24本の入札があり、最高価9364万円弱で競落されていった。専有面積坪単価は約360万円になる。多くの入札が集まったのは、こういった共有物分割請求訴訟由来の換価競売で、共有者の一人が占有している場合競落後の明渡しは比較的円滑に進むことが考えられる。しかも本件の場合現況調査報告書においては、すでに占有していた共有者は転居している様子が記載されている。再販に向けた商品化のスピードが速いと思われることが、大量入札の要因でもあろう。