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2024年7月1日「私道面寄宿舎を個人落札」

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東京地裁開札トピックス(24.7.1日号)

私道面寄宿舎を個人落札

 収益物件の代表格はアパートである。そのアパートよりもっと利回りが高い建物は無いか、ということで今から10年前くらいから登場したのがシェアハウスである。

 そのシェアハウスブームで社会問題化したのが再三この欄でも取り上げてきた「かぼちゃの馬車」であった。このとき投資家への融資に大きく力をいれたのがスルガ銀行である。スルガ銀行は「かぼちゃの馬車」の他でも、このシェアハウス投資に対する融資を多く実行していた。

 6月12日開札では東京メトロ南北線「王子神谷」駅徒歩約12分に立地するスルガ銀行融資の「かぼちゃの馬車」でない寄宿舎(シェアハウス)が開札対象になった。この物件土地は私道(位置指定道路)に面する約52坪で、その上に築7年の木造2階建ての寄宿舎(シェアハウス)が建っている。建物の延床面積は約62坪で全20部屋の個室から成っている。この20部屋すべてはサブリースで語学学校の留学生の寮として運営されていて、物件オーナーには月額約73万円支払われているようだ。そのような内容で本物件の売却基準価額は6760万円であったが、これに対し入札は7本あり、最高価1億174万円弱で個人が落札していった。

 さてこの物件、シェアハウスではない通常のアパートを建設するより5割以上収入が高いように思う。ただシャワーが10部屋に1か所しかなく、留学生宿舎など向けに限られよう。また1部屋に2人住まわせるなどしており、総勢で30人近い人間が出入りすることとなるので、周辺からの苦情も懸念される。そんなわけで購入にあたっての銀行融資利用は難しいように思われる。

 それでも北区内で表面利回り年8%超はキャッシュリッチな個人にとって魅力的なのかもしれない。

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