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2024年5月27日「まだ続くかぼちゃの馬車の残像」

東京地裁開札トピックス(24.5.27日号)

まだ続くかぼちゃの馬車の残像

 もう10年近く前「かぼちゃの馬車」事件が世間を騒がせた。シェアハウスを賃料保証付サブリースでの高利回りと主にスルガ銀行から受けられる100%融資を背景に個人投資家に大量販売したのがスマートデイズ社であった。しかし、そのシェアハウスは部屋面積2~3坪程度の狭小で、思うように賃借人はつかず、ほどなくサブリースは破綻し、同社は倒産した。残された投資家は銀行返済ができず、物件を売却しようとするが、市場とかけ離れた高値で購入していることが多々あり、任意売却は進まなかった。その後銀行と投資家の間での訴訟にも発展し、一部投資家救済が進んだ。しかし、まだ現在もかぼちゃの馬車の残像は競売市場にある。5月15日開札では京急空港線「糀谷」駅徒歩約4分に立地する土地約30坪とその上の総戸数11戸のワンルームマンション(築6年、RC造3階建、延床面積約39坪)が対象となった。この物件はシェアハウスではなく各戸にシャワー、トイレはあるが、各部屋専有面積3坪強と極めて狭いワンルームマンションで、スマートデイズの元社長が経営するトウキョウ運河が販売したものだった。今回の申立人であり、販売当時の融資先はかぼちゃの馬車と同じスルガ銀行である。この物件、売却基準価額は6400万円であったが、これに対し入札がこの日最高の29本入り、最高価1億2240万円にて競落されていった。 

この競落価格は販売当時の想定価格(抵当権設定定額から推して1億5000万円超)より2割超低い。当時はかなり高い価格で販売したことが分かる。

     開札トピックス   

2024年5月27日「まだ続くかぼちゃの馬車の残像」 競売・公売不動産/底地投資コンサルティング

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