2024年4月22日「新宿ゴールデン街に入札100本」
東京地裁開札トピックス(24.4.22日号)
新宿ゴールデン街に入札100本
新宿ゴールデン街と言えば、かつての昭和~平成バブル期に、地上げ屋が跋扈したことで有名になったところである。新宿区役所の間近にある2000坪ほどのエリアに200軒ほどの小さな店舗が立ち並ぶ。ここは権利関係が複雑であることでも有名で、虫食い状態で地上げが行われ、その後バブル崩壊で空き家となった店舗が増加し寂れてしまった。しかし近時は外国人の観光スポットになるなど賑わいを取り戻している。そのゴールデン街の中約3坪の土地上に戦後5年目に建てられた木造2階建て(1、2階とも床面積3坪)が建っている。この物件が昭和62年に設定された抵当権が今般実行され競売対象になった。所有者・債務者は既に亡くなり、相続人不存在の中整理回収機構が債権者として競売を申し立てた。現状の占有は店舗営業をしている賃借人が1、2階各々にいる。家賃は1階7.5万円/月、2階9万円/月である。
この物件の売却基準価額は775万円であったが、それに対し空前の100本という大量入札があり、最高価8000万円強で落札された。競落者はおそらく不動産会社であると思われるが、その入札本数もさることながら競落価格が売却基準価額の10倍を超える水準であったことに驚かされた。再開発にらみの競落であろうか、まさにかつてのバブルが戻ってきた感覚を覚えた。