皆異説?実勢並み
タワマンによる相続税節税にいよいよブレーキが掛かります。国税庁は来年1月1日以降、マンションの相続税評価額を実勢価格の6割に。現状マンション価格の高騰が続き実勢価格と相続税評価額との乖離が大きくなっています。不動産の相続税評価額は土地は路線価、建物は固定資産税評価額というのが現状のルールです。しかし土地持分の小さいマンションは相続税評価額が低くなり、現状都内のタワーマンション等では実勢価格の3割程度しか相続税評価されません。今回このギャップを利用した相続税節税手法を相続税負担感の公平性確保の観点から、見直そうとするものです。改正ルールでは実勢価格(相場)の6割が目安とのことです。具体的には国税庁で新たな計算式を用意し、これに納税者が築年数や階数を入力して、それで得た係数を従来の評価額に乗じるという形を取ります。(最近発表された「評価乖離率」計算式は「①築年数×△0.033+②総階数指数(総階数÷33、最大1.0)×0.239+③所在階×0.018+④敷地持分狭小度×△1.195+3.220」という複雑怪奇な数式です。)しかしマンションにも個別性がありますので、その辺にどう対応するのかは不透明です。納税者側では相続税評価額をいくらかでも安くしたいところですから、国税当局と丁々発止のやり取りも予想されます。いずれにしろ相続税圧縮でのマンション購入ニーズが幾分かでも減少するのは間違いないでしょう。というわけでマンションディベロッパーの株価が下がりました。この改正、不動産業界注目の税制改正であることは間違いありません。
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2023/07/22 時事回文