2023年2月20日「新築時に劣らぬ競落価格」
東京地裁開札トピックス(22.2.20日号)
新築時に劣らぬ競落価格
マンションは新築分譲時にはいわゆる新築プレミアムがあり、中古になると少なからずは値落ちする場合が一般的である。しかし平成バブルの時代新築マンションの価格を中古マンション価格が上回るという事態が起こった。これは当時国土法という土地の取引価格の上限規制があったことに起因していた。現在国土法は存在しないが、中古マンション、特に都心立地物件は新築時の分譲価格を凌駕するものが散見される。
2月1日開札ではJR総武線「浅草橋」駅徒歩約5分に立地する築2年半の新しいマンションが対象になった。この物件が分譲された当時は既に都心のマンション相場は急騰していた。そんな中今回開札対象マンション住戸は専有面積約12.3坪であるが、これが約6500万円で分譲された。専有面積坪単価で500万円を優に超える水準である。これが今般売却基準価額4088万円に対し、入札6本で最高価5960万円にて競落されていった。この競落水準は新築分譲の価格に比すれば9%程度は低いが、競落会社が再販するときはそのマージンや経費を考えればほぼ同等であろう。都心築浅マンションは値落ちが無い状況である。
ちなみにこのマンションの評価書を見ると売却基準価額設定にあたり積算価格に価格補正として80%もの上乗せをしている。競売マンションをもはや積算方式によって評価するのは現実的ではなくなっている。これはタワーマンションの相続税評価額が実勢と比しかなり低い水準であることと一脈通じていると思う。
2023/03/27 開札トピックス