2022年10月31日「小規模マンションの人気は低調?」
東京地裁開札トピックス(22.10.31日号)
小規模マンションの人気は低調?
中古マンションの価格はアットホームのデータによれば今年8月までで1都3県全エリアで14ヶ月上昇が続いている。競売市場でも高上乗せ率での競落が目立っている。そんな中ファミリーマンションであるにも拘わらず売却基準価額に対し3%未満で競落された物件があった。その物件は西武新宿線「上井草」駅から徒歩約12分に立地する築31年の専有面積約26坪の3LDKの部屋である。このマンション大手(三井不動産)分譲ながら総戸数は14戸と小規模なマンションである。所有者居住であり、また滞納管理費等も現況調査時点では無く、さらに室内も現況調査報告書の添付写真を見る限りでは損傷が見られない。再販業者としては取り組みやすい物件と言える。しかし結果は売却基準価額4478万円に対し、入札は5本に止まり、先述の通り売却基準価額の約3%上乗せの4600万円にて落札されていった。この低水準落札の原因は1つに評価書において売却基準価額設定にあたり価格補正として40%を上乗せしたことがある。しかし、レインズにおける成約事例などでは専有面積坪単価は160万~180万円と考えられる、とすれば市場価格は4200~4680万円になり、売却基準価額には割安感が無い。つまり市場に対して大きい評価書の価格補正があったようだ。もう一つは駅からの距離とマンションの規模が魅力に乏しいのかもしれない。徒歩10分以上で、総戸数14戸と小規模で共用部分も簡素であることから再販業者の強気の入札が無かったと考えられる。