2022年8月22日「オーナーチェンジマンション年4%が競落目線か」
東京地裁開札トピックス(22.8.22日号)
オーナーチェンジマンション年4%が競落目線か
東京23区内の賃貸マンションの株式会社タスによる空室率調査(2022年7月29日)によると、1Rマンションの空室率は10.69%と高い水準にある。コロナ禍をきっかけとしたテレワークや在宅勤務が定着化する中で、空室が多く生じている。相続対策などで建築される一棟物の1R主体の賃貸マンションが増加し、供給が増加していることもあるように思う。一方で3LDKの間取りについては逆に空室率が低下している傾向があり、同調査で直近2.89%と1Rの3分の1以下である。間取りによる空室率の違いが鮮明になってきている。
この間にあるのが1LDKの間取りで同じ調査で直近5.71%とある。これは現状のオフィスビルの水準に近いように思う。現状のマーケットでは1Rと1LDK の少しの相違ながら大きく空室率が異なっている。
そんな中7月21日開札では都営大江戸線「両国」駅徒歩約6分に立地する専有面積約12.3坪の1LDKのマンションが最先の賃借権付であった。
築13年のこのマンションの賃料は月額14.5万円で管理費等や固定資産税等を差し引いた年実質収入は約151万円である。これに対し売却基準価額は2424万円であったが、結果入札は14本あり、最高価3621万円にて競落されていった。競落価格に登録免許税、不動産取得税を加えた総取得コストは約3680万円になると思われ、総取得費用に対する年利回りは年約4.1%である。立地、築年による相違はある中で、おそらくはこの年4%くらいが賃借権付マンションの競落目線ではないだろうか。