2022年6月13日「赤坂土地共有持分に大量入札」
東京地裁開札トピックス(22.6.13日号)
赤坂土地共有持分に大量入札
競売市場には時折共有持分物件が登場する。こういった物件は多くは相続により相続人複数の共有になったものの、その処分などが共有者の合意などされないままになった物件である。6月1日開札では東京メトロ千代田線「赤坂」駅徒歩約8分に所在する約32坪の土地の40分の7の共有持分が対象になった。南西側で幅員6m、南東側、北西側でも幅員3.1m、1.5mの公道に面する角地であるが、かなり細長い地形をしている。対象の土地上には競売対象外の建物(土地と同じ共有)がある。評価書では共有持分としての減価を30%としているが、実際には件外建物の収去などもあり、通常の更地評価と比すれば、もっと減価されるべき物件であろう。しかし、この物件(共有持分)は売却基準価額787万円に対し入札が37本も集まり、最高価3300万円にて落札されていった。実に売却基準価額の4倍超の落札である。評価書において共有持分の減価が小さかったとしても評価の基礎となる更地評価額が実勢価格より大幅に低かったことがこの高値落札になったと考えられる。ただこの土地を占有しているのは売却対象外の共有者であり、この者の明渡し、建物収去が必要になる。今後は共有物分割請求訴訟などを経ることも考えられ、商品化に時間、費用を要しそうだ。そんなことから、また対象が本件土地の半分以下の共有持分(40分の7)であることもあり、かなり思い切った入札価格であったと思う。