2022年3月28日「共有持分更地が高上乗せ落札」
東京地裁開札トピックス(22.3.28日号)
共有持分更地が高上乗せ落札
競売物件が減少する中、相続がらみで競売市場に現れる物件の割合が多くなっている。多くは共有物分割訴訟に基づく換価競売で、その不動産の全体が競売に付される。ところが3月9日開札では土地の共有持分が競売対象になっている。おそらくは相続分の争いで一部換金の必要性があったのだろう。その物件は東武伊勢崎線「五反野」駅徒歩約6分に所在する更地であった。現状駐車場などに利用されていて約83坪であるが、対象となる土地3筆
のうち1筆に縄伸びがある可能性があるとのことなので、これより大きな坪数になりそうだ。競売対象はその土地の共有持分2分の1である。その共有持分の売却基準価額は2166万円であったが、これに対し14本の入札があり、最高価4401万円にて競落されていった。共有持分でありながら多くの入札があり、且つ売却基準価額の2倍以上で競落されたことに驚かされた。この土地が北側で4m幅員の公道に面し、且つ分割して分譲するのに適しているからであろう。この土地の路線価は坪約86万円であるので、縄伸びを勘案しなければ相続税評価額より15%ほど高い水準で競落されたことになる。おそらく競落会社はこの土地を2分割して共有物分割によりその半分を手に入れるべく共有者との交渉に入るものと考えられる。商品化までには手が掛かりそうであるが、建売用地確保難の現状ではこういった物件でも多くの入札が集まるようだ。