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2022年1月17日「2021年東京地裁競売市場の総括と今後の展望」

東京地裁開札トピックス(22.1.17日号)

2021年東京地裁競売市場の総括と今後の展望

さて先週に引き続き昨年2021年の東京地裁本庁の競売の総括と2022年の展望を述べたい。先週2021年競落水準が上昇した旨記したが、この状況が過去と比してどの程度のものかを検証するにあたり下記掲載のグラフ1を見て頂きたい。競落1物件当たりの入札本数は21年下期においては15本に迫る数字になっていて、これは2013年末から始まったアベノミクスによる株価高の時期に匹敵するレベルと言える。先週も本欄で述べたが政府の金融支援策と日銀の超金融緩和策が引き起こした現象である。ただグラフ1を見る限り競落競争も天井に近いように思える。2022年については、コロナ禍が終息するかどうか不確定要素がある。ただ仮にこれがある程度収まるとすれば、政府の金融支援策終了が考えられ、これによる企業の経営破綻数の増加が予想される。またこれまでの世界的金融緩和により日本を含め世界的にインフレが生じることが考えられる。そうなると日銀は金融引締めまではいかずとも「超」が付く金融緩和を見直し、これによる金利の上昇が予想される。金利が上がれば高値で物件を仕入れた不動産会社の換金売りが増え、結果として不動産価格の下落があるだろう。以上のことが起こるとするなら競売対象不動産の減少傾向は終焉するはずである。2022年は競売市場転換の年になるかもしれない。

 

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