2022年1月3日「荒川区のマンション エンド価格水準での落札」
東京地裁開札トピックス(22.1.3日号)
荒川区のマンション、エンド価格水準での落札
東京のマンション価格が新築、中古にかかわらず上昇している。競売市場でも大量入札、高い上乗せ率での競落が目につく。12月15日は2021年最後の開札日であったが、やはり中古マンションの強気と思われる競落が散見された。その中でまず目を引いたのがこの日一番人気の33本の入札を集めた東京メトロ日比谷線「南千住」駅徒歩約9分に所在する築9年のマンションであった。専有面積約12.6坪で売却基準価額1474万円であったが、競落されたのは3039万円であった。これは専有面積1㎡あたり72万円で、レインズの流通データなどからおおよそエンドユーザー価格に思える。
またこの日、日暮里舎人ライナー「熊野前」駅徒歩約3分に立地する築7年で専有面積16.2坪(2DK)のマンションも対象となった。こちらは売却基準価額2592万円に対し30本の入札で競落価格4038万円と専有面積1㎡あたり75万円強の競落水準であった。これもまたエンドユーザー価格水準の競落と言ってもおかしくない。こういった競落の背景には販売物件の不足で売り手市場になっていることがあろう。加えて低利住宅ローンと対象の床面積が40㎡以上になった住宅ローン減税が購入希望者の増加を招き、売り手市場に拍車をかけている。中古マンションの競落には市場ニーズをとらえた大胆な入札価格設定が必要になっている。