東京地裁開札トピックス(21.9.20日号)
新聞販売店共有持ち分に多くの入札
競売市場には不動産の共有持分のみが対象という、一般ではまず見られない物件がある。先日も夫婦共有のマンションで夫の共有持分だけが対象になり、共有者である妻が落札したケースがあった。9月8日開札でも同様に夫婦が共有している物件で妻だけの共有持分だけが対象になった事例があった。その物件は都営大江戸線「新御徒町」から徒歩約5分に立地する土地付建物である。土地は東側で幅員8mの公道に面する約39坪で、その上に築45年の鉄骨造3階建、床面積約95坪の建物が建っている。競売の対象はその土地建物全体の100分の30が対象であった。またこの建物の1階には長期賃借権者である新聞販売店がいる。競落後も買受人に対抗できる新聞販売店である賃借人がいて、また共有持分30%という内容で、売却基準価額は1187万円であったが、これに対し入札が14本あり、最高価6151万円にて落札されていった。この物件土地の評価としては1坪260万円で総額として1億円程度、評価書では8000万円弱となっている。取引相場としてはこれを相当程度は超えると思われるが、それにしても共有持分30%でしかも長期賃借権者付では高すぎる。共有者の関係者による債権者の関係者の競落ではないだろうか。またそもそも共有持分にこれほどの入札があったことにも驚かされた。