2021年9月13日「鉄骨造でも高水準競落」
東京地裁開札トピックス(21.9.13日号)
鉄骨造でも高水準競落
分譲マンションでも稀に当初単独所有者の1棟物件であったものを区分登記して分譲するものがある。こういった物件は共用部分、専有部分の区分、管理規約の設定など後から整えることで難しい面もあり、マンションとしての評価が低くなることがある。8月25日開札ではJR総武線「亀戸」徒歩約5分に立地するRマンションが2部屋競売対象となった。この物件は2004年に建築当時は1棟マンションでありました。それから約8年後に分譲会社が取得し、各部屋を区分登記し、分譲したものと思われる。また当初から分譲用でなかったこともあるのか建物の構造が鉄骨造である。評価書を見ると経済的耐用年数が40年として計算されている。鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造であれば経済的耐用年数は50年以上となるが、鉄骨造であるがゆえ短く、従って建物の評価額は低く出ている。
そんな中ではあるものの2部屋のうち1部屋は専有面積約7坪、売却基準価額1216万円のところ入札9本あり、最高価1700万円強で落札されていった。この部屋は月額8.5万円で賃貸中であるので表面で年6%の利回り水準であり、専有面積坪単価は240万円超である。鉄骨造でのこの水準については驚かされたが、建物の実質的グレードについては特段減価は市場においてはあまりないということなのだろう。