2021年8月23日「1㎡あたり100万円超の競落1R」
東京地裁開札トピックス(21.8.23日号)
1㎡あたり100万円超の競落1R
首都圏の中古マンション相場の上昇は止まりません。コロナ禍の影響を受けないばかりか、むしろコロナ起因の金融緩和が後押ししている感がある。東京地裁本庁におけるマンションへの売却基準価額に対する競落価格の上乗せ率は昨年上期34.8%であったが、今年上期では43.93%と10ポイント以上上昇している。特に低利住宅ローンが利用できる実需マンションにその影響が顕著であったが、都心の1Rに関しても、その傾向が見られる。
7月21日開札では東急東横線線「祐天寺」駅徒歩約7分の1Rマンションが開札対象となった。専有面積約6.3坪の部屋が対象、総戸数23戸の中で4階部分に位置する。築約16年が経過していて、現状空家状態である。このマンションの売却基準価額852万円のところ最高価2021万円にて再販業者が落札していった。実に売却基準価額に対し137%超の上乗せ率であった。しかもこのマンションには100万円を超える滞納管理費等があり、これを考慮すると、落札価格は専有面積1㎡あたり100万円を超える計算である。人気の東横線とは言え、月額賃料は8万円程度であろうから、表面年利回り年4.5%水準となる。敷地が50坪ほどに建つ小規模1Rがこの高値で競落されたことにも驚かされた。