2021年7月12日「オーナーチェンジマンションも高落札」
東京地裁開札トピックス(21.7.12日号)
オーナーチェンジマンションも高落札
ファミリーマンションで最先の賃借権者が占有しているものは通常入札価格は抑制的になる。やはり再販は空室でリフォームした上実需向きに行うのが利益確保に繋がろう。しかし再販業者も物件不足から賃借人付のマンションも仕入れることが増加していると聞く。6月23日開札では都営三田線「白山」駅徒歩約1分に立地する築35年のマンションであった。専有面積14.4坪で間取りが2DKであるこの部屋には最先の賃借権者がいる。月額賃料13万円で年間156万円、管理費等、固定資産税等を差し引いたネット収入は約130万円である。この物件の売却基準価額は1867万円であったが、これに対し入札29本があり、最高価3333万円にて競落されていった。この競落価格であると、ネット利回りは年3.9%となる。このマンション仮に空室であれば専有面積坪単価300万円程度は見込める。となれば売値4300万円であるので、賃借権者が退去すれば、内装費を考慮しても再販利益は十分得られそうだ。従って競落者としては占有者退に仮に家賃1年分程度の明渡費用を呈示して明渡交渉することも考えられる。しかしこれもあくまで任意であるから交渉成立は読めない。こういった物件を取り扱うにはキャッシュか長期ローンでの購入が必要だろう。