2021年2月8日「珍しい法定地上権付きの土地が対象」
東京地裁開札トピックス(21.2.8日号)
珍しい法定地上権付きの土地が対象
競売市場においては一般市場に無い物件が出現することはよく紹介してきた。その中でも1月20日開札では特に珍しい物件が登場した。それは法定地上権負担付土地である。対象物件の土地上に競売対象外の建物が建っていて競売対象はその敷地、つまり底地が対象になったのである。この底地は普通賃借権より強固な権利である法定地上権付きの建物が建っている。競落人は、立退きはもちろん譲渡承諾や更新承諾で承諾料は得られない。地代の徴収だけはできる。そんな底地は都営新宿線「牛込柳町」駅徒歩約4分に立地する。その土地は南側で幅員3.4mの公道に面する11.4坪で、競売対象外の件外物件は平成6年築の木造3階建である。この建物の所有者は当然競売対象の土地所有者と同一である。
この物件は抵当権者の差押えによる競売で土地建物ともに抵当権が設定されているが、おそらくは債権額が土地建物ともに競売するのであると超過売却になることで今般土地だけの競売になった公算が高い。この土地の売却基準価額は442万円であったが、これに対し14本の入札があり、最高価762万円弱で競落されていった。
ところでこういった土地の競落人は建物所有者からの地代を目的とすることはおそらく無いと思われる。競落したのが不動産業者と思われるので、建物所有者と交渉し、建物買い取りを行い所有権物件化を図り商品化する目算だと考えられる。