2021年1月11日「今年もマンションは高水準落札か?」
東京地裁開札トピックス(21.1.11日号)
今年もマンションは高水準落札か
2020年はコロナ禍にあり中古マンションの価格は強含みで推移した。しかし新築マンションの供給はコロナ禍の影響か首都圏で前年比2割強減少し24000戸台であったようである。今年は郊外の新規マンションの発売は3割強の増加になる予想であるが、これが中古マンション価格に変化をもたらすか注目である。そんな中昨年最後の12月23日開札で一番人気であったのはJR常磐線「金町」駅徒歩約8分に立地するマンションであった。専有面積約22坪の3LDK +納戸等の間取りで築11年弱と比較的新しい。売却基準価額は3016万円であったが、これに対し39本の入札があり、最高価4286万円弱で競落されていった。滞納管理費等はあまりないが、登記費用など諸経費を考えれば専有面積1坪あたり200万円近い競落水準になる。ちなみに昨年12月の同マンションの他の住戸の成約価格では専有面積坪単価180万円台のものもあり、競落水準は市場価格並み、または若干上回る。競落会社は相場の上昇を見込んでいるかもしれない。果たしてそうなるのか注目したい。
さてコロナ禍で競売物件が増加すると見る向きが多くあったが、現実は相違し、東京地裁は減少したのである。来週から本欄では、そんなことを含め2020年の競売市場の総括に入りたい。