2020年11月30日「島津山コンパクトマンションに36本の入札」
東京地裁開札トピックス(20.11.30号)
島津山コンパクトマンションに36本の入札
コロナ不況が話題になる中、株価はバブル経済崩壊以降で最高値を付けるなど高い水準になっている。これは超金融緩和による過剰流動性に起因している。この過剰流動性は都心中古マンション相場にも影響しているように思われる。11月18日開札では品川区のコンパクトマンションが一番人気であった。そのマンションは都営浅草線「五反田」駅徒歩約3分、巷間島津山と呼ばれる地域に立地している。築19年を経過した専有面積16坪強の2LDK の部屋で売却基準価額は3425万円であった。近隣相場をレインズにおける類似物件の成約事例を見ると専有面積坪単価は約300万円程度と思われることから、本競落事例のマンションは一般流通相場を4900万円程度と推量した。そしてそこから再販業者の入札価格は約4000万円程度と類推したが、実際は入札36本の上競落価格は4760万円強であった。この競落価格であると取得の諸経費や再販利益を考慮すれば再販価格は5000万円台の中盤くらいになりそうである。販売価格は専有面積坪単価350万円近くになる。仮に賃貸したとすれば賃料は月額20万円程度、管理費等、固定資産税等を考慮した年の実質収入は200万円程度と思料される。仮に販売価格を5500万円とすれば、年3.6%程度の利回りとなる。この利回りを見る限り株価と同じく過剰流動性がマンション相場を引き上げているように思える。