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2020年10月26日「久々の1棟物に超高水準入札」

東京地裁開札トピックス(20.10.26号)

久々の1棟物に超高水準入札

 先週は間取りが確認できないマンションであっても大量入札になった浅草のマンションのことを紹介した。これは中古マンションの相場の堅調さを表したものだが、一方で収益物件はどうであろう。10月7日開札では田園調布の鉄筋コンクリート造5階建ての賃貸マンション一棟が対象になった。所在は田園調布でも1丁目で、最寄り駅は東急東横線「多摩川」駅である。徒歩約4分と賃貸マンションとして有利であり、築26年と30年以内であるのも条件として良い。間取りは1DK、1Kが23戸、賃貸収入はおおよそ月額200万円というところである。敷地は約111坪あり北西側で幅員7mの公道に面している。売却基準価額は2億125万円であったが、これに対し入札は16本あり最高価6億5270万円で法人が落札していった。この落札水準であると、運営諸経費を差し引いて考えれば年利回りが3%にも届かない計算になることで、かなり高額の競落であった。売却基準価額の3倍を超えることもあり、所有者の関係者など何らかの特別事情があっての競落であろうと想像される。一般に売り出しても到底そこまでの売却価格にはならないだろう。ただこの物件23戸の区分所有登記になっているので場合によると、分譲を視野に入れての入札かもしれない。それでも1戸あたり3000万円近くになってしまい、販売は簡単ではないだろう。本競落例では収益物件の市場は占えないように思う。

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