2020年8月31日「東京地裁本庁約5か月ぶりの開札」
東京地裁開札トピックス(20.8.31号)
東京地裁本庁約5か月ぶりの開札
東京地裁では新型コロナウイルス感染対策で入開札が行われない状況が続いていたが、8月19日、約5か月ぶりに開札が行われた。ただコロナ禍により当日の開札結果発表が遅れる事態にもなり、再出発も予定通りに進まなかった。そんな中この日の開札結果はコロナ禍の不動産市場への影響を測る上で注目された。結果として活況と言え、ほぼ100%の競落であったのと、競落1物件あたり17.7本の入札という高水準であった。またこの日の一番人気であったのは、東京メトロ有楽町線「要町」駅徒歩約12分に立地する築31年を経過するワンルームマンションであった。現在月額6.1万円で賃貸されており、管理費・修繕積立金、固定資産税等を控除した実収入は年約57万円である。この内容で売却基準価額は381万円であった。この金額で競落されれば実質年利回りは14%程度になる。これが注目を集めたか、57本もの入札があり、結局売却基準価額の2倍を超える最高価778万円弱で個人が落札していった。この落札事例はコロナ禍の影響を感じないのはもちろんであるが、寧ろコロナ以前より高水準の落札であるようにも思う。賃貸住宅はコロナ禍でさほどの減収ダメージが無いことが個人投資家の投資意欲を高めているように思う。