2020年1月27日「マンションシフトが明らかに」
東京地裁開札トピックス(20.1.27号)
マンションシフトが明らかに
2019年東京地裁は対象物件が2年連続で増加したことを前週述べたが、では、その競落水準はどうであったか。図表1は物件種別毎の上乗せ率の3年推移である。全体平均の上乗せ率は2018年比で8ポイント以上上昇している。ただし、種別を個別に見ると対象物件全体の7割弱を占めるマンションに関しては0.57%の微減で同じく全体の4分の1近くを占める一戸建てについては12.5%の大幅ダウンである。従って上乗せ率は実質低下している感がある。特にマンションより一戸建ての上乗せ率減少が大きいのは不動産市場において一戸建てからマンションへのシフトが起こっていることを反映していると思われる。加えて一棟収益型共同住宅の価格が低下傾向にあることも土地付建物の上乗せ率低下の要因だろう。2020年では好立地マンションの郊外一戸建てを上回る人気は継続もしくは更に顕著になるのではないだろうか。また図表2の競落1物件当たりの入札本数の推移を見ると前年比で1本程度の減少となっており競落競争はやや沈静化したことが分かる。2020年も引き続き同じ水準程度で推移するように思う。