2019年12月23日「浸水懸念地域でも多数入札」
東京地裁開札トピックス(19.12.23号)
浸水懸念地域でも多数入札
2019年は台風の被害が大きかった年として記憶されそうであるが、気候温暖化が進む状況では来年もまた同様な台風被害が起こっても不思議ではい。そんな中で浸水ハザードマップへの注目度が高くなっている。12月5日開札では浸水ハザードマップにおいて荒川の氾濫があった場合において高さ3~5mの浸水が想定される地域の物件が対象になった。その物件は都営新宿線「瑞江」駅徒歩約6分に位置している。土地は北西側で幅員4mの公道に面した約14坪で、この上に築29年を経過した鉄骨造3階建ての共同住宅(延床面積約29坪)が建っている。1階から3階まで各階が1Kの間取りで3部屋になっているが、建ぺい率超過のようだ。この造りであると荒川氾濫時には1階住戸は逃げ場を失う危険がある。そんな物件であるが売却基準価額1457万円に対し入札17本が入り、最高価2200万円で個人が落札した。この物件の評価書を見ると特段浸水危険度については配慮されていない。しかし落札価格では1戸当たり5万円の収入として年8%程度の利回りは期待できるので個人投資家の目を引いたのであろう。同じくこの日江戸川区内で浸水危険度がある1戸建が開札対象になったが、売却基準価額1667万円に対し14本の入札が集まり最高価2288万円にて不動産会社と思われる会社が落札していった。浸水危険度は入札者側もまだ斟酌していない感じである