2019年9月2日「南千住のワンルームが年4%台で競落。水準上昇か?」
東京地裁開札トピックス(19.9.2号)
南千住のワンルームが年4%台で競落。水準上昇か
新築の分譲ワンルームマンションが都心部にて高価格で販売されてきている。販売坪単価は400万円超の水準である。そんな中、都心部の中古ワンルームマンションの価格も高目に推移している。築10年以内で坪単価は300万円超で値付けされ流通しているものが多いが、そうなると賃貸利回りは表面利回りで年4%台になってしまう。これであると実質年利回りは3%台である。これでは賃料上昇が望めなければ、建物の経年劣化コストにギリギリ追い付くか追い付かないかであろう。人口減少を背景にすれば賃料は都心部であっても値付けに限界はある。今後の流通相場が気になるところだが、8月1日開札では東京メトロ日比谷線「南千住」駅徒歩約8分に立地する築12年のワンルームマンション(専有面積約7.5坪)が開札対象になった。このマンションはサブリースで転借人が住んでいるが、その(転借の)賃料は月額6.7万円である。年額で80.4万円だが、管理費・修繕積立金と固定資産税等を差し引くと年58万円弱が実質収入である。このマンションの売却基準価額は685万円であったが、入札は10本あり、最高価は1304万円弱で再販業者が競落していった。競落価格に対する年実収の利回りは4.4%強である。おそらくは再販では年4%以下の水準で値付けされるであろう。先に新築ワンルームマンションと比べれば2割程度は安い感じはするが、立地は決して一等地ではないので決して安くは感じられない。中古ワンルームの競落水準に関しては上昇気味に感じる。