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2019年7月22日「世田谷区の好立地も上乗せ率低く競落」

東京地裁開札トピックス(19.7.22号)

世田谷区の好立地も上乗せ率低く競落

 令和元年の相続税路線価が発表になり、多くの地点で上昇が確認された。東京では商業地以外の住宅地でも数%の上昇地点が多々生じた。そんな中7月4日開札において世田谷区で東急田園都市線「桜新町」駅徒歩約3分に所在する住宅地の更地が対象になった。その土地は東側で幅員3.85mの公道の2項道路に面し、面積は約20坪である。この辺の相続税路線価も昨年比で6%程度上昇していて、対象土地の今年度路線価は坪175万円であった。ここから地価公示レベルの地価を算出すると1坪約220万円になる。従って実勢価格はこれを1割以上は上回る250万円あたりと考えられる。一方で対象土地の売却基準価額は3699万円で1坪185万円程度であったが、結果入札8本はあったが、最高価は4110万円弱と1坪205万円レベルで売却基準価額への上乗せ率は11%強と低めであった。これはこの対象地の地域が第一種低層住居専用地域であり、建ぺい率50%で容積率100%であるため、対象敷地が住宅用地としてはやや小さ過ぎることに要因がありそうだ。しかもセットバックがあることや、実測値が縄縮のあることで1坪超少ない可能性があるとのことで、これもあって入札価格が伸びなかったようだ。ちなみに本件債務者は不動産業者で、仕入れに高利率の金融機関からの融資金を充てていたようだ。利息が嵩みそれに伴う税の滞納や他からの借り入れも起こしている。しかし敷地が狭いことなどから債務抹消レベルでの価格にて任意売却が進まなかった結果、競売になったと見られる。

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