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2019年7月8日「昭和のワンルームは表面10%が競落目安か」

東京地裁開札トピックス(19.7.8号)

昭和のワンルームは表面10%が競落目安か

 老後2000万円不足問題で世間は騒がしい昨今であるが、個人が資産形成に関心を持つきっかけにもなっているように思う。さて昭和の終わりごろ都内ではワンルーム業者が専有面積5坪程度で、いわゆる3点ユニット(バス、トイレ、洗面が一体成型されたもの)の物件をサラリーマンなどに多く分譲していた。現在それらのワンルームマンションはその後に制定された建築規制条例などで新しくは建築できない状態である。しかし既に分譲された物件は建て直されず、そのまま中古市場で流通している。分譲当時の価格の数分の1になっているケースがほとんどだろう。競売市場でもよく目にするが6月20日開札では西武池袋線「中村橋」駅徒歩約5分に立地する昭和59年3月築のワンルームマンションが対象になった。専有面積約5坪で3点ユニットバスのこの部屋の売却基準価額は222万円であったが、これに対し入札が21本集まり、最高価640万円にて落札された。上乗せ率は190%弱と高いが、月額賃料5万円とすれば年間60万円で、競落水準は表面利回り10%弱である。人気駅から徒歩5分という良い立地なので10年間くらいは建物の相当な損傷がなければ賃貸付は安心であると言えよう。つまり10年程度で元がとれれば、その時点で半値になっても投資として計算は合いそうだ。こういったワンルームマンションはサラリーマンが資産形成用として現金で購入することが多くなるようにも思えるがどうであろうか。

 

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