2019年6月3日「天王洲アイルワンルームが高額落札」
東京地裁開札トピックス(19.6.3号)
天王洲アイルワンルームが高額落札
米中貿易摩擦の影響で株価がさえない状況であり、競売市場の競落水準にも影響が出るかと思われる。しかし、物件によってはその影響は全く受けていないようだ。5月23日の開札では、りんかい線「天王洲アイル」駅徒歩約5分に立地するワンルームマンションが売却基準価額に対する上乗せ率が8割近い水準で競落された。この物件は専有面積6坪強で、12階建ての最上階住戸であった。建築されたのは3年強前で新しく、設備としてもバストイレ別である等賃貸条件として優位であり、また角部屋で眺望にも優れている。賃借人は退去しているが、月額9万円以上では十分貸せるであろう。年間の実収入(管理費等や固定資産税等控除後)は100万円近く見込めそうだ。また滞納管理費も約10万円程度である。この条件で売却基準価額は1480万円であったが、競落価格は先述の上乗せ率での2630万円であった。この物件の登録免許税、不動産取得税の合計は約40万円であるが、これを考慮すると先の滞納管理費等を併せ総取得費用は2680万円となり、実質の賃貸利回りは年3.7%と4%未満である。利回りが低い印象があるが、一棟アパートなどが融資引き締めで個人の投資がしにくくなる中、こういった物件の人気はむしろ高くなっているようにも思える。