東京地裁開札トピックス(19.5.27号)
築浅ワンルームが高上乗せ落札
このところ不動産投資に対する融資について多くの事件が続いている。スルガ銀行や西武信金の不正融資は大きく報道されてきているが、それ以外の金融機関の報道も目にする
。これにより不動産投資用融資は基準厳格化に舵が切られている。しかしそんな中でも不動産投資への関心は余剰資金の運用先や相続対策などで依然高い状況にある。その中で築浅好立地のワンルームマンションについては融資が付く上、比較的少額の自己資金で投資できることから価格も高水準を保っている感がある。不動産投資ローンの基準厳格化で流行っていた一棟アパート投資については自己資金の用意がかなり必要となり、サラリーマン投資家がワンルーム投資に流れているということもあるだろう。4月23日開札では都営新宿線「森下」駅徒歩約4分に立地する築7年で専有面積約7.6坪のワンルームマンションが売却基準価額への上乗せ率60%超で落札された。競落価格は2088万円であったが、このマンションは賃料月額8.4万円にて転借人が住んでいる。競落水準は表面利回りで年4.8%程度、実質利回りでは年4%くらいである。そしてさらに競落会社から転売されるとすれば年4%未満の利回りで販売されることになりそうだが、それでも投資家はいると言うことなのだろう。また好立地のワンルームの新築物件で3000万円未満の物件が見られないこともこういった物件の人気を下支えしているように思う。