2019年4月15日「平成初期のワンルーム表面10%で落札」
東京地裁開札トピックス(19.4.15号)
平成初期のワンルーム表面10%で落札
平成の世もあと少しで終わりを告げ、令和の時代になる。不動産の世界では平成築が新しさを持たなくなることになる。バブル経済時代は多くの投資用ワンルームマンションが販売され、競売にも多く付された。ここ最近では競売のワンルームマンションは築年が10年以内の新しいものの方が多くなっている。3月12日開札では東武東上線「上板橋」駅徒歩約10分に立地する専有面積約5坪のワンルームマンションが対象になった。このマンションは平成3年1月築とバブル時代の投資用マンションである。賃料月額5万円にて賃貸されており、競落者が承継すべき賃借権になっている。年収は60万円だが管理費等(月額14200円)及び固定資産税・都市計画税(年額24600円強)を差し引いくと実収は約40.5万円である。この内容で売却基準価額は470万円であったが、これに対し入札は8本あり、最高価641万円強で競落された。この競落水準は実質年利回り6.3%強になる。この競落結果から推してバブル期のワンルームの利回り水準は実質で年6~7%程度、表面利回りで年約10%程度ではないかと思われる。一方で同じ練馬区のワンルームマンションで築4.5年の新しい物件もこの日対象になっているが、こちらは専有面積が約8坪あり、風呂・トイレは別のマンションである。同じ沿線の「東武練馬」駅徒歩11分の立地だが、売却基準価額1192万円に対し競落価格1761万円強である。表面利回り年約5.5%と先の物件の6掛け以下の利回りとなっている。築年と競落水準の関係が分かる競落事例2つであった。