2019年3月4日「築浅い借地権戸建に人気集まる」
東京地裁開札トピックス(19.3.4号)
築浅借地権戸建に人気集まる
2月14日開札では、JR埼京線「十条」駅徒歩約5分に立地する借地権付建物に入札14本が集まった。売却基準価額1327万円に対して最高価2280万円と、上乗せ率70%超の競落であった。借地権付建物であるにも関わらず大量入札且つ高上乗せ率で競落されたのは、先ずは建物が比較的新しいことがあろう。借地面積約16坪のところへ築11年の木造3階建、3LDKで延床面積約22坪の建物が建っている。(3階部分は屋根裏部屋)借地権であるが故に地主に対する譲渡承諾料を必要とするが、本物件の評価書では約120万円をみている。この費用を考慮しても手頃な金額であるところも人気の理由かと思われる。またこの物件の所有者は地代を滞納していたものの、債権者の地代代払い許可があるため、借地権の消滅リスクが少ないことも入札に安心感があったのではないだろうか。逆にこの日同じさほど築年が経っていない(木造築16年)借地権付建物が売却基準価額以下で競落されている。立地が京成押上線「四ツ木」駅徒歩約13分とやや先の人気物件に劣るものの売却基準価額988万円と総額が小さく手頃であったが、人気は薄かった。結果、入札は3本で競落価格は917万円であった。ただこの借地権付建物は地主に無断で売却された経緯がある。これが競落後の地主との土地賃貸借契約締結に影響があると懸念する向きもあって入札が少なかったのかもしれない。借地権付建物は借地特有の個別状況が入札に影響するようだ。