2018年12月10日「土壌汚染物件に47本の大量入札」
東京地裁開札トピックス(18.12.10号)
土壌汚染物件に47本の大量入札
11月22日開札の一番人気は東武大師線「大師前」駅徒歩約5分に立地する土地付建物であった。土地は西側で幅員12.5mの公道、北側で幅員4mの私道に面する角地で、約78坪の広さがあり、建物は築約29年経過する鉄骨造延122坪強である。この内容で売却基準価額が383万円であった。桁違いの安さと思えるが、その原因はこの建物が取次店ではなく作業場のあるクリーニング店であったことにある。現況調査報告書には有害物質が地中に染み込んでいる、土壌汚染があるという内容が明記されているとともに建物にはアスベストが使用されていることにも言及されている。それがため評価書において土地建物評価額の減価が行われているが、それがなんと一律90%の減価なのである。それがゆえに383万円という超低水準の売却基準価額になった。結果としてこの物件に対する入札は47本にまで達し、最高価4316万円にて落札されていった。何と売却基準価額の11.2倍の落札価格である。落札者は安価にできる土壌汚染の解消のノウハウを持っているのであろう。それにしても9割の減価はかなり大きく感じるが、具体的見積を取っていないのでそれ以上の可能性も示唆していた。このような物件は債権者負担で有害物質除去費用の見積ができるようにした方が良いように思う。