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2018年12月3日「世田谷好立地マンション入札1本」

東京地裁開札トピックス(18.12.3号)

世田谷好立地マンション入札1本

 先週は、一等地への入札が高水準で競落された事例を紹介したが、同じ開札日(11月8日)で世田谷、馬事公苑近接の人気住宅地のマンションが売却基準価額以下、それもほぼ買受可能価額で競落されていった。このマンションは確かに小田急線「千歳烏山」駅徒歩約17分とやや足回りに劣るものの専有面積は40坪を超える3LDKで、その広さにおいては希少性がある。しかし、売却基準価額4704万円のところ入札は僅か1本で、しかも競落価格は売却基準価額の2割引の買受可能価額を7万円強だけ上回る3770万円強で競落されていった。この物件の評価書を見ると、このマンションの敷地利用権の積算価格が5500万円を上回っている。またこのマンションの土地部分は約22.1坪に相当するが、路線価から相続税評価額を算出すると土地が3360万円強になる。これだけの土地評価があるものの前述の競落価格なのは、建物が築50年と古いからである。評価書において積算価格は1050万円強に評価されてはいるものの、市場ではそこまでの評価はされないであろう。この建物、固定資産税評価額はおそらくこの積算価格の6割程度の約600万円だろうと推測されるが、そうなると相続税評価額は土地建物合計で4000万円超となり、競落価格はそれを下回ることになる。本来不動産投資特に都内では相続税評価の圧縮になるものだが、老朽化マンションは本例のように、その逆(相続税評価額の方が高い)になることがあるようだ。今後もこういったケースは増加するように思う。

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