2018年7月30日「下町マンションが高上乗せ率競落!!」
東京地裁開札トピックス(18.7.30号)
下町マンションが高上乗せ率競落。
7月5日開札ではタワーマンションの競落水準(競落価格の売却基準価額に対する上乗せ率)が売却基準価額の切り上げもあって低下していることを紹介した。これに対し7月19日開札では下町地域に立地するマンションが高競落水準で競落されたのが目を引いた。その物件はJR総武線「小岩」駅徒歩約11分に立地する専有面積約19坪で間取り2LDK+サービスルームの部屋。築18年で古くは無いが決して足回りが良いとは言えない。この物件の売却基準価額は1941万円であったが、これに対し入札は30本集まり、競落価格は上乗せ率60%を超えた3188万円であった。この物件の評価書では20%の市場価格補正が加えられた上でこの水準であったので、立地などを勘案して随分強気の入札と感じた。しかし、このマンション同じ棟内にこの対象となった部屋よりやや狭い間取りの部屋が4000万円近くで売り出されている。専有面積坪単価にして220万円を超える価格である。こういった値付けから考えると今般の競落価格は不思議ではないように思える。都心型新築マンションが価格上昇し、相対的に下町や郊外物件の価格底上げに結びついているように思う。購入時に利用できるフラット35などの長期ローンが下町マンションの価格を支えている側面もあろう。