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2025年3月24日「白金共有持分マンションに入札3本」

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東京地裁開札トピックス(25.3.24日号)

白金共有持分マンションに入札3

 港区のマンションは不動産の中でも別次元の価格形成となっている昨今であるが、その中でも物件個別での差は大きい。3月12日開札では東京メトロ南北線「白金台」駅徒歩約5分に立地する「白金ハウス」という築34年経過したマンションの2階部分で専有面積約55坪の広い部屋が対象となった。ただし、共有持分1万分の8253が対象である。残りの共有持分を有する方が占有している。従って、対象持分を競落しても、占有する共有者には引渡命令は発令されない。競落者は占有する共有者と交渉し、共有持分の買取やそれに伴う明渡を決めねばならない。結果は売却基準価額2億3531万円に対し、僅か3本の入札で、最高価2億4000万円と売却基準価額に470万円弱の上乗せでの競落であった。

港区マンションで、共有持分とは言え、低い水準の競落に思えたが、そもそもの評価書における評価が高かった。その評価書ではこの部屋1室全体の市場価格を専有面積坪単価800万円超えとして計算されている。しかし、実際の成約事例では坪単価450万円程度のようだ。評価額が高く出た理由は、このマンションが低層マンションで敷地の共有分の面積がこの対象の部屋については30坪を超えていることにある。評価書において採用される積算手法では土地の持分面積が大きいため、その評価が高い分高額の売却基準価額になったのである。結果として対象物件は共有持分の競売対象であったこともあり、入札本数が伸びず、競落価格も上乗せ率が低かったのだろう。敷地の広い低層マンションは積算価格が高いのである。

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