2024年12月9日「経済事件被告の駒場自宅が競落」
東京地裁開札トピックス(24.12.9日号)
経済事件被告の駒場自宅が競売
近時企業買収などM&Aがらみの経済事件報道が散見されるが、11月20日開札で競売になった京王井の頭線「駒場東大前」駅徒歩約8分に立地する大型の戸建てが、まさに経済事件がらみの競売であった。競売物件の所有者は、元東証スタンダード市場上場の㈱ユニバーサルエンターテイメントの社長であった。同社はパチスロ大手で、フィリピンのカジノ開発も行っているアミューズメント会社である。
この会社を巡り代表権の争いや巨額な役員報酬支払いを巡る株主代表訴訟があった。その一連の事件の中心人物が本競売物件の所有者である。そして本競売は金融機関ではなく個人が判決などを得て申し立てたヌ事件として行われた。この辺の経緯も経済事件由来を感じさせる。このような大型物件はこういった経済事件がらみなどでないと競売市場には出現しないだろう。
さてこの物件、土地は西側で幅員7m強の公道に面する80坪強で、建物は築9年の鉄筋コンクリート造3階建て、延床面積105坪強のワインセラーを備える大邸宅であった。その内容で売却基準価額は3億4824万円であったが、これに対し20本の入札があり、最高価5億9583万円にて落札されていった。ところでこの物件と立地や築年がほぼ同じのマンションであれば、専有面積坪単価は700万円を超える水準での成約ではないかと推量する。この対象物件の床面積から推してマンションであれば7~8億円の価格がついても不思議は無さそうだ。都心部においてマンションが相当程度割高であることが、この競落事例を見ても分る。