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2024年6月10日「土壌汚染で計画頓挫か」

東京地裁開札トピックス(24.6.10日号)

土壌汚染で計画頓挫か

 本欄5月27日号で「まだ続くかぼちゃの馬車の残像」として破綻したシェアハウス事業の債務整理が競売市場で続いていることを取り上げた。5月29日開札においても同様にこの「かぼちゃの馬車」の破綻処理物件があった。その物件は東京メトロ半蔵門線「押上」駅から徒歩約8分に立地した土地であった。これまでの「かぼちゃの馬車」破綻処理物件は建物が建っていたが、本件については更地であった。その土地は南側で幅員約3mの公道に面し、セットバックを考慮した面積は約14坪である。2017年9月に投資家は本土地を購入し、このときスルガ銀行が債権額7030万円の抵当権を設定している。そして同年12月に同じくスルガ銀行が2つの抵当権、債権額合計4600万円の抵当権を追加設定している。この投資家は合計で1億1630万円の負債を背負ったことになる。しかも建物は未着工の状態であり、おそらくは建築確認が取得されたタイミングで建設代金の一部の支払いがあったのではないだろうか。ところで今般の競売の評価書を見ると、この土地上では金属製品製造業の工場があったことで専門家から本土地には土壌汚染リスクがあることが指摘されている。そしてそれに伴う評価減(10%)がなされていた。もしかするとこの点で建設計画が頓挫したのかもしれない。それにしても破綻処理に約7年の長い時間を要している。本土地入札結果は売却基準価額1851万円に対し19本の応札があり、最高価5005万円強にて競落されていった。これは路線価の2.5倍を超える価格であり、高水準の競落に驚かされた。

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