2024年2月26日「品川区狭小長屋物が低上乗せ率競落」
東京地裁開札トピックス(24.2.26日号)
品川区狭小長屋物が低上乗せ率競落
マンションの相場上昇が続く東京圏で特に値上がりが激しいのは都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷各区)であるが、それに次ぐのが文京区、台東区や品川区などである。
2月15日開札では品川区所在(京急本線「立会川」徒歩約3分)のテラスハウスが対象になった。築9年で専有面積は約14坪であり、売却基準価額は2614万円であった。この立地で築年や規模が同じマンションであれば、専有面積坪単価は300万円以下では購入できないであろう。かなり割安感があるが、結果は入札が3本だけで競落価格は売却基準価額に対し3%強の小さな上乗せの2700万円(専有面積坪単価190万円強)であった。
この小さな上乗せ落札になったのは、1つに構造が耐用年数が短い軽量鉄骨造で、評価が低いこと、2つ目に狭小床面積であることである。延床面積は確かに14坪ではあるが、これが3層に分かれていて3階部分にあるリビング・ダイニングは階段部分を除くと、8畳くらいしかなく、3人家族でもかなり窮屈に思える。
新築分譲当時は立地(駅からの距離)が良いこともあり、購入時のローンも新築であることで付けられたと思われる。しかし中古となった時点では、銀行融資が構造上の問題もあり厳しい条件となるだろう。従って流通価格が通常のマンションに比してかなり低くなる。
競売の評価は通常マンションと同様に行っていたが、入札者は市場価値を見定めた入札価格を設定したのである。