2024年1月22日「2023年東京地裁競売市場の総括」
東京地裁開札トピックス(24.1.22日号)
2023年東京地裁競売市場の総括
昨年2023年は東京地裁本庁の競売開札対象物件は表1のとおり前年比155物件(22.27%)減と大幅に減少した。売却率は98.89%と2022年比0.68%低下したものの、ほぼ完売は続いた。なおこの東京地裁の対象物件541件はコロナ禍で4か月裁判所が閉まった2020年を50件も下回っており本トピックス開始以来最低数である。そして表2を見ると同じ首都圏でも東京だけが突出して減少している。また表3のとおり愛知や大阪では逆に増加していて、日本主要都市でも東京の激減が際立った。これは東京の地価上昇の大きさがその背景にあるだろう。
また一方で表4を見ると落札価格の売却基準価額に対する上乗せ率が2023年は前年比低下したのが分かる。これは東京の不動産相場が天井を付け始めた予兆のようにも思う。
さて今年も前半はここ半年の配当要求終期の公告(差押え)件数を見るところ東京地裁では対象物件の反転増加はないように思う。増加基調になるとすれば秋以降となりそうだ。