2023年11月27日「マンション入札がやや沈静化?」
東京地裁開札トピックス(23.11.27日号)
マンション入札がやや沈静化?
11月8日開札では相変わらず競落率は100%で、売却好調の競売市場であるが、少し変化の兆しも感じる。それは競落1物件あたりの入札本数である。この日全物件平均では約10.2本で、これは2022年の通年平均約13本そして2023年上半期平均の約11.85本を下回っている。特にこの日のマンションの平均については約8.8本とかなり減少している感じがする。競争の激しさのため入札を見合わせているのか、または再販業者の在庫が多くなっているのかは不明である。また一時的なことかもしれない。
そんな中、この日の一番人気はマンションであった。それはJR総武線「浅草橋」駅徒歩4分に立地する築9年の専有面積約12.3坪1Kの部屋である。この物件の売却基準価額は2536万円であったが、これに対し入札23本が入り最高価3835万円にて再販会社に落札されていった。ちなみにこの物件の占有者は6か月猶予で明渡し可能なので再販の商品化に障害はなさそうだ。現在の取引事例から専有面積1坪あたり350万円以上での再販は十分確度が高そうなので、滞納管理費等も無く、再販利益も原価対比で7%程度はあるだろう。こういった物件では昨年一番の過熱時であれば30本は入ったように思う。
また、同じ日足立区所在で東京メトロ南北線「王子神谷」駅徒歩約15分の専有面積約約14坪の1LDKの部屋が対象になった。こちらも明渡に障害はなく、且つ築3年と新しい。この物件の売却基準価額は2250万円であったが、これに対し入札は4本に止まり、最高価は2550万円と、売却基準価額に対し低めの13%強上乗せ落札だった。マンションへの入札の勢いは落ちているのか、今後注目していきたい。